科学と伝統ものづくりをつなぐもの
截金作品
■截金(きりかね)は、金箔を数枚焼き合わせて細く直線状に切ったものを、筆と接着剤を用いて貼りつけることによって美しい文様を表現する伝統的な技法です。
  日本では、特に仏像・仏画の衣や装身具を装飾するためにさまざまな文様が発達してきました。
  現代では仏像や仏画だけでなく工芸品として利用されることも多く、伝統産業として京の手しごと工芸品に認定されています。
第 1回 2011.7.18(祝)
第 2回 2011.9.11(日)
第 3回 2011.9.23(祝)
第 4回 2011.11.19(土)
第 5回 2011.11.27(日)
第 6回 2011.12.11(日)
第 7回 2012. 1.28(土)
第 8回 2012. 2.12(日)
わくわく理科実験
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京都大学社会交流室

京都では、古くから仏像や仏画、伝統工芸品の技術が発達してきました。それらを装飾する技法のうちのひとつである「截金(きりかね)」という伝統的なものづくりに触れながら、その体験を通して、金(きん)のもつ科学的な特性、さらに最先端の科学による原子などの話へとすすめていきます。京都府を5地域に分け、各地域の高等学校を会場に開催予定です。

第1回

 日 時 : 7月18日(祝)13:00~16:30

 場 所 : 京都大学総合博物館セミナー室

 対 象 : 小学4年生~中学3年生

 定 員 : 20名(保護者、引率教員の見学可)

タイムスケジュール

13:00 ~ 13:15  開会の挨拶(京都大学総合博物館 館長 教授 大野 照文)

13:15 ~ 13:45  伝統ものづくりでの金箔の説明
  (講 師:京都大学大学院理学研究科 研究員 常見 俊直)

13:45 ~ 14:30  金(きん)をつかった伝統ものづくり実演・実習 
  (截金師:京都造形芸術大学 非常勤講師 池田 香那弥)

14:30 ~ 14:45      - 休 憩 -

14:45 ~ 15:30  講義および実験・実習。科学への一般的な導入。光の性質など。
  (講 師:京都大学大学院理学研究科 研究員 常見 俊直)

15:30 ~ 15:45      - 休 憩 -

15:45 ~ 16:30  講義および実験・実習。金箔が原子が数千個分の厚さであることを通して、
  物質の最小構成要素の大きさがどのぐらいであるのかにせまる。
  (講 師:京都大学大学院理学研究科 研究員 常見 俊直)

風景参加者 : 18名

参加者の感想  
地球の中での金の存在はとても貴重である事がわかりました。また、その他の星が犠牲となって生み出された金を使って作られている製品はとても価値のあるものである事がわかりました。その中でも「きりかね」は偶然できた金と職人の手によって生み出された奇跡的なとても価値のあるものなので、その製作に必要となる「職人の手」と「金」がこれからも先に引き継がれていくことを願いたいです。
 後半で話していただいた磁石を鉄球にぶつけて飛ばす実験は、ぶつける玉と、ぶつかる玉を磁石にして、鉄球同士をつっくけると最高時速がでる事がわかりました。また、地球上には人間が必要としない物質も多数存在し、人間は意外と多くの物質を必要としている事を初めて知ることができました。今回は大変良い体験をさせていただきありがとうございました。
今日は、金について様々な体験や講義をしていただきありがとうございました。金を使った伝統工芸の体験では、実際に金箔を使って、日本に昔から伝わる技術に触れることができました。金は、綿密に、そして繊細に扱うことで日本の歴史に深く残っていくのだと思いました。また、滅多とできない貴重な資源なんだと思いました。様々な実験道具をつかって、わかりやすい講義だったと思います。金だけでなく、地球上の物質や化学的な現象についても、詳しく教えていただきました。筒の中を磁石球がゆっくり通ったり磁石の力で、玉を大きく前に飛ばすなど、面白い実験がたくさんあって興奮しました。また、池田さんによる神業のような截金は、つい見とれてしまいました。地球や僕達人間を構成している元素についても、とても親しみやすいものになったと思います。今日は、とても印象に残る講義でした。ありがとうございました。
後半の講義では、中学で今まで習ってきた知識と合わせてよく考えることができた。物理的な分野での実験は、偏光板などを普段なかなか使うことのできないものを使ったり、ネオジム磁石を使ったガウス加速器などとても興味がわいた。化学的分野は、僕が科学4分野の中で最も好きな分野で、原子の生成(特に金などの重金属)は今まで習ったことが会ったような気もするが忘れてしまっていたので興味深かった。
 コぺルシウムやリケニウムなど、112番以降の原子が人工的に合成されているが、その原理は宇宙で行われる超新星爆発を応用したもので、加速器を開発した人もだが、宇宙の偉大さに感心した。前半の実習でも扱った金だが、その金は宇宙の他の星で生成された金で、それが今目の前にあるということに感動した。全体を通して、伝統技術、物理、化学と様々な分野にわたるもので、とても刺激されるものだった。
私生活とはかなりかけ離れた存在である「金(きん)」、これと触れる機会が頂けたのでとても良かった。何やら金は昔から人々に「永遠の輝き」と敬われていたし羨ましがられていた?ということを知り、また、存在は科学的に見ても神秘的であることわかり、感動した。実験で金箔がプラ板にふわっとくっついてきた時は驚いた。電磁誘導による誘導電流により磁場をつくり、磁石球の落下を妨げる、という実験も面白かったが、何となくレールガン的なものも見たかった。今後、金という高価かつ至尊なる存在に触れるようなことは無いだろうが、見ることは無きにしも非ず。その度に、金の由来、金の伝統に想いを馳せていきたと思う。
 今日は非常に興味深い講義を本当にありがとうございました。また、截金の実演は本当に神業のようでした。金は長生きしてきた恒星のラスト10年間の想い出的存在だと理解して感激でした。
ペラペラの金を扱うのは、とても難しかったです。前でやっていられるのを見た時は、「簡単なのかな?」と思っていましたが・・・。すぐに破れてしまいました。それに細かい作業を多いので大変でした。でもこういう伝統もステキだし「続けていくとおもしろいんだろうな」と思いました。私は特に偏光板のやつがおもしろかったでした。以前、洛サ(洛北サイエンス)で習ったことがあるのでなおさらです。あれって、釣りの時に使うサングラスとかに利用されているんですよね?それにしても最初のやつは驚きました。家に帰って弟を驚かせたいです。鉄の球が動くやつも興味深かったです。
前半では、とてもマネできないような職人技を見ることができた。金の扱いは想像以上に難しく少しクシャクシャになってしまった。後半の講義では学校で学習してきた知識をより深く、深めることができた。ただ、講義を聞くだけでなく、実際に様々な実験ができたので、とても内容が頭に入り易かった。金が生成される背景に、宇宙規模の話が絡んでいるとは、思ってもいなかった。その宇宙規模で起こる一つの現象(金の生成)をこの地球上で行うことができるようになっていることには驚き「想像できるものなら、何でも実現させることができる」は案外本当のことなのかもしれいないと思った。
金を使った作業では、難しくて上手にできなかったが、めったに見られない金を使えて、良い体験になった。截金の技術を見せていただいた実習では、とても細かく慎重でとてもできそうになくすごいと思った。原子や宇宙の話では、金のでき方や人の体内の原子など興味がもてるようなおもしろい話だと思った。実験を通して行った運動エネルギーや光についてでは、実験をやりながら話をされたのでわかりやすくて理解しやすかった。偏光板で作った筒状のものは、初めて見た時は不思議に思い、作ってみて、なるほどと思えた。科学について、いろいろと興味を持ったり、不思議に思えるような良い機会となった。 截金と聞いてから、一体どんなものか気になっていたけれども、あれほど細かい金細工だとは知らなかった。金細工に椿油が使われているとは知らなかった。人類が金の合成に成功したとは聞いていたが、今の今まで鉛だと思っていた。人間の身体には微量ながら様々な元素があると聞いていたけれども、微量だとしたら、少し減っただけでもまずいのではないだろうか。 今回の講義で一番気になったことだけど、一gの金を人間が合成したとしたら、一体どれぐらいの金額となるのだろうか。今回本物の金を使い金細工を使うというその道に進まないとできない経験をすることができとてもおもしろかった。
<伝統的な金について>
金を使った伝統的工芸を見て、とても神聖でつくっていく作業を見ているだけでもとても美しかったです。実際に体験してみると金箔はとても薄く、手が震えました。金は昔から寺の装飾に使われたり、人々にとってはとても貴重で大切に使われていたとわかりました。この技術が廃れることなく、文化として、ずっと受け継がれていく必要があると思いました。
<金の由来について>
金は星の最後のたった10秒間にしかつくられない貴金属と聞き、とても驚きました。同時に、金はそんなに少ない金属なのに、日本はかつては「黄金の国」といわれるくらい、地球にはたくさんあるのはすごいと思いました。金は高価ですし、たくさんとってしまいたいと思いますが、宇宙からの星の贈り物だと思って大切にしていく必要があると思いました。また、世界各地で原子を人工的に作っていると聞きました。人類は科学の進歩とともに公害問題などに悩まされてきました。だからこの宇宙のビッグバンを再現するような原子をつくるというのは人類にとっても、自然についても良いことばかりではないかもしれないと思いました。今日のとてもたくさんのことが学べました。ありがとうございました。
 前から金は、様々なところで利用され、数々の伝統工芸品を生み出したことがよくわかりました。特に今回、専門の方にも実演してもらうことがき、とても良い機会でした。あの上手さにはとても感動しました。また、僕たちでも実際にやることができて良かったです。作品づくりの難しさもよくわかりました。
 様々な実験を実演して頂いて、どれも面白かったです。ここでも、触らせてもらったり、実験させて頂いたりできたので良かったです。特に、飛び出す磁石はびっくりしました。磁石系の実験は、ども楽しかったです。後は、偏光板を使った作品作りを楽しむことができました。プロジェクターの光が赤や黄に変わるのは、自分でも調べてみたいです。以前に洛北サイエンス(要は郊外学習のこと)で、偏光板につても触れましたが、今回は実際に作れて良かったと思います。また、プラスチック2枚の間に金箔を挟んで蛍光灯を見るというのも、今まででは初めてで、驚きました。金も光を反射したりしていることがわかりました。最後は、原子の話を聞かせていただき、ためになったと感じています。前半の金についての話も、今までの経験を踏まえて納得することができました。今日は、長い間、ありがとうございました。
伝統的な金細工をみせていただき、とても繊細で丁寧な技に感動しました、また、実際に金箔を使ってみて、10000分の1mmという薄さを実感することがき、見ている時は簡単そうにみえましたが、実際にやってみると難しく、一つひとつの作業にとても緊張しました。何年もの修行をして、あのような美しい細工ができるようになるのがすごいと思いました。
 化学・物理の講義では、難しくて聞いたこともないような話も多かったですが、わかりやすく教えていただき、実験や製作も交えてだったので、化学を少し身近に感じれるようになりました。宇宙の始まりや、金の由来についてわかるということがすごいと思いました。特に鉄球や磁石をレールの上でぶつける実験が強く心に残っています。今回の講義で疑問に思ったことなどを家で調べたりしてさらに深めていきたいと思います。今日はありがとうございました。
金は重いイメージがあったからのせるのも簡単かと思ったがすごく軽くて扱いにくかった。 静電気にも反応するので、截金をやるのはとても難しい物だとわかった。今まで金の模様を考えなかったが、あの細い線の一つ一つが伝統だと思うとすごい。なにげなく、金の存在を見ているが、数千万年の十秒を考えるとすごく貴重な物だとわかる。宇宙の中で自然にできる原子と多いと思うが「地球」は恒星でもないのに「人間」が原子を作り出していると思うとそれが良いのか悪いのかはわからない。 実際には恒星の力で沢山の原子ができているんだろうけど、地球の中の「人間」は人口の原子を作り出していてその影響で恒星の原子に変化がないのかは知りたい。今日は金だけでなく原子、宇宙まで習ってとても楽しめました。とてもわかりやすく教えて下さってありがとうございました。今回のことをしっかり生活に活かしていけるようにしたいと思います。
金は星が爆発する時の10秒程度の時しか出ないことに驚きました。金を薄く広げた金箔を扱うことが慣れていなかったので、上手に工作を作ることができませんでした。截金は何年もの修行をつまないといけないのはよくわかります。少しの風や振動で飛ばされてしまうほど金箔は薄くて扱いにくいからです。物理などで難しいことが多かったけど、とてもわかりやすく説明、解説をしてくれたので、良く分かりました。金という貴重な元素をたくさん使わせて下さって本当にありがとうございました。伝統工芸品の貴重な制作現場を見れてよかったです。 今日は昔ながらの伝統的な金の使い方や金などを通じて宇宙や地球のことについて学べ、とても楽しかったです。昔から貴重とされていた金は宇宙でもとても貴重だったということにとても驚きました。電気や磁石から電波を発見したように、金による発見というのもあり、人間の力にも驚きました。世界的に昔から大切にされてきた金を使う截金の技には修行をつまないとできないということが金を扱っているうちに納得できてきました。宇宙の歴史からしても、実際の状態からしても金は大切にしなければならないと思います。
金で細かい模様を作る作業を見ると、とても慎重に行われければいけないことがよくわかりました。鼻息だけで大きく動いてしまうので、とても根気のいる疲れる作業だということを実感しました。また科学の話では、いろいろな実験を通して科学の不思議にせまっていたので、とても楽しかったです。特に金属パイプの中に磁石を通す実験では、ただのパイプにただの磁石を入れるだけですごいことが起きたので、とても驚きました さらには、最後の元素などについての話では、とても難しい内容でもわかりやすかったので興味深かったです。金がとても貴重で、大切なものだということがよくわかりました。 初めて本物の金を見た。金は昔から仏像などに使われてきて、今を使われているということで、金にも歴史があることがわかった。また、金を扱う作業は、何年間もの修行が必要であり、僕は初めてだったので、とても難しかった。元素の由来が明らかになりつつあるということでは、何かがまた発見できると いうことであり、早く明らかになればいいなと思った。金の起源を知ることによって、改めて金が貴重で価値のあるものだと思った。
伝統的な芸術が見れてよかったです。金の本物を初めて見れたので、盗みたくなったけど、そこはじっと我慢していろいろできました。職人さんの技術はすごいなと思いました。僕は、紙から金をはがすだけで、手にいっぱい金がついて、一苦労したのに、截金師の人は、簡単にやらはったし、めちゃくちゃ難しそうなことをやっていたのを見て、すごいと思いました。何年も修行して、がんばったら、僕もあんなふうな職人さんになれるのかなと思います。科学は、いろんな道具を触らせてもらったり、実験をして楽しかったです。ネオジム磁石同士がひっついている力が強すぎておもいっきり挟まれて痛かったです。速度をがんばって0.01m/sにできたの、何かわからなかったけどうれしかったです。科学の後半のでは、原子の話をしてくださったけど、何か難しくてよくわからなかったけど、すごかったです。今回は貴重な体験をいただきありがとうございました。また機会があったらもういちろ行きたいです。 伝統と科学が金でつながっているなんて、意外でした。人は、文化と技術を使いこなせているとも感じました。「伝統」で作った金の作品は、細かく優しく扱わなければいけないので、難しかったです。しかし、自分だけの作品が作れた気分は最高でした。截金作りもしたかったのですが、できなかったのが残念です。「科学」では、金などの元素について学びました。人の身体にも金が微量だけあって、何に使うのかと疑問に思いました。また、空気の酸素なども元素だったということには驚きです。今回はこんな貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました。「金=お金」だけになっていたような自分の見える範囲が広がったような気がします。
p.s この体験でわかったことと疑問に思ったことが増えました。それが科学の楽しさだと思います。また、このような機会があれば、ぜひ参加します。
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